【感想】『エースコンバット7 SKIES UNKNOWN』 ネタバレ
キャンペーンクリアしたので、感想をつらつらと。
初リリース日: 2019年1月18日
エンジン: Unreal Engine
ジャンル: Combat flight simulation game
デザイナー: シンヤ・ヒロタ
プラットフォーム: PlayStation 4、 Xbox One、 Microsoft Windows
開発元: バンダイナムコエンターテインメント、 PROJECT ACES、 バンダイナムコスタジオ
80点
発売日その日にダウンロード版を購入。プレイしました。
総プレイ時間は12時間くらい、ですかね。
知人が家に遊びに来ても話そっちのけでゲームしてしまうくらい(クズ)あそんでしまいました。
一言でいうと
めっちゃ楽しくて夢中になった。でもムズイ。
ですかね(あとスクラップクイーンの声優を朴さんにしてほしかった。)。
もうね、鉄のマシーンに乗ったエースパイロットが闘うっていうだけで100点満点です(じゃあ100点にしろよ)。
では感想をつらつらと、、、
あと今回導入された雲。サイコーです!
雲に突入すると視界ゼロのうえ、操縦かん(PS4コントローラー)もガタガタ揺れるしキャノピーにも水滴がつくんです。もう「アンリアルエンジン様ぁーっ!」ってなります。
しかも雲の中はミサイルの誘導性能が落ちたり、衛星を利用した兵器などが使えないなどゲーム的にもしっかり意味があるところとか、個人的にすごく燃えます。
なので「雲に逃げ込め!」とかいうセリフを聞くだけで、自分が「空の世界」にいるパイロットで、しかも生き残るために雲さえも利用しているんだな、っという感覚が味わえて最&高です。
機体の作りこみが半端ない!
今回ビスの一本一本まで作りこんでいるみたいで(それもよくわかる)、戦闘中だとコックピットやジェットエンジンの排気とか、リプレイモード中だと吸気口や翼が軌道や高度によって可変するところが楽しめます。
もう笑っちゃうくらい良く作りこまれています。BGM(?)としてリプレイだけテレビで流していたいくらいです。
セーブデータが膨れ上がること覚悟で、リプレイを保存出来たらよかったのにな~。ムービーを保存して編集とかできたらなおよし(それもう違うゲーム)。
戦闘に関しては、、、
いつものエスコンって感じでした。ミサイルもきっちり4次元空間に格納されていて、一機あたり100発とか積まれているので撃ち放題です。
戦い方はいつもの感じで通用しましたよー。敵の背後をとってミサイル発射して、狙われたらハイGターン(エスコン6にもあったっけ?)で回避の繰り返し。
まーー、相変わらず機銃は全然当たらないわ、ターン繰り返してるとストール(失速して操縦不能になる)するわ、
フレアと回避のタイミングを間違えてしまうと、フレアをガンガン炊いているケツにきっちりミサイルぶち込まれたりします。
でもこんな下手クソでも20ミッションを12時間でクリアできました(難易度ノーマル)。
最近はメインミッションがめちゃくちゃ長かったり、サイドミッションの量がメインミッションを凌駕しているゲームが多いので、タイトにまとめてある本作のキャンペーンには好感を持てました。
ミッション数が多いとカタログ上は眺めがよくても、終わらない無限地獄感をちょっと感じたりしてうんざりしちゃいますよね。
ミッションがムズイ
戦闘(戦闘機vs戦闘機)はそれほど難しくないのですが、ミッションがとても難しいです。
大きく分けると、防衛と攻撃に分けられるのですが、どちらも非常に難しいです。
防衛ってあらゆるゲームでムズイよね
本作でも例外ではなく、防衛対象を攻撃されないように敵をたたきつつ、防衛対象に敵が近づいていないか気を配らなくてはいけない(相変わらずカメラはとても使いづらい)。
『七人の侍』でも島田勘兵衛が「守るは攻めるより難しいでな…」と言っていましたし、しっかりした戦略と準備がなければ本来はとても難しいことなのだと思います(だからなんだよ)。
次に攻撃側、これが想像よりかなり難しかった
なぜかというと、スコアと制限時間の設定の難度がかなり高めだったからです。
プロのパイロット(エスコン全作遊びまくってる人)ならまだしも、攻撃目標の位置をブリーフィングだけで空間的に把握できるはずもなく、「えーっと、どこだっけ」とレーダを確認しつつ、SAM(地上から飛行機に向けて撃たれるミサイル)に狙われながら、目標を攻撃する。そのうちに制限時間になってゲームオーバー…。
地上のターゲットにミサイル使いすぎて「ミッション変更!空の敵援軍を攻撃しろ!」と言われた時にはミサイルの残弾1だったり…(敵一機落とすのに2発使う)。
「最後のチェックポイントからやり直しますか?」と聞かれて、選択するとまるまるミッション最初からだったりするのです。
まぁこれもエスコンらしいといえばそうですけどね。久々にコントローラー投げたくなる(投げたことはない)ゲームだなぁ、とか思いました。
ゲーム作る側の視点に立ってみても、難易度設定って難しいとは思いますけど!
ゲームのギミックを考えたりする人とは別に、ゲームの難易度を決める専門の役職があったりするし。
エスコンはその辺のゲームと違って、ミッション中はずっと敵味方混戦なのでチェックポイントも作りづらいだろうし、敵が固すぎても(ミハイ固すぎ)もろすぎても面白くないのでそのあたりの調節はエスコン独自の進化が必要なのかなとか思いました。次回作にご期待ください!(誰目線だよ)
ストーリー、懲罰部隊のアウトロー感もっと欲しかった!
本作は「天使とダンスしてくる」的なダサかっこいい名言は特になかったですかね。
主人公機の「トリガー」というコードネームがかっこいいな、とは思いました。
懲罰部隊にぶち込まれると聞いて連想したのは、神林長平の『戦闘妖精・雪風<改>』ですかねー。
これは異星人と戦う連合軍の話で(SF)、本作と同じ戦闘機乗りの話です。
お話は、人類が一丸となって異星人と戦い、最初は地球にあった戦線が異世界に遠のいていきます。そして、戦争が長期化するにつれ地球の人の危機感は薄れていき、やがて志願兵だけでは足りなくなった連合軍の人手不足を解消するために、地球で犯罪を犯した人間を送り込むようになっていきます。異星人には戦闘機でしか対抗できないので犯罪者のパイロットなどが送られます。
そして、「地球にいられなくなった人でできた軍隊VS異星人」という構図になっていくのです。「地球にいられない俺たちが何で地球のために戦ってるんだ?」とか正規軍ではないなりの苦悩が描かれてたり、いなかったり(主人公は自分の愛機のことしか考えてない変態)。
本作もそういった話になるのかと思いきや、
本当にただ懲罰部隊にぶち込まれただけ、でした(そらそうやな)。
しかも、シンデレラストーリーばりに、実力と運で正規軍に復帰(しかもなんか特殊部隊)。
一回死んだ(生きる意味を失う)主人公が生まれ変わる系ゲームは好きですが(『メタルギアソリッド3』、『Detroit Become Human』のマーカス、『The Last of Us』など)あんまりどん底感がないんですよね。
確かに武器使用禁止な瞬間があったり、「囮になれ!」「懲罰房行きだ!」とはいわれるものの、
ゲーム的には正規軍とそんなに変わらないです(正規軍でも「国籍不明機は攻撃するな!」とか言われたりしますし)。
スクラップ機を無理やり飛ばしているという背景はありますが、本作のメインヒロインが凄腕の整備士という設定なので難なく飛べるし、機体も選び放題(序盤なのでそれなりの機体しか乗れないですがそれはシリーズ通しても同じ)です。
もっとこう…、ハイGターンを繰り返してるとエンジントラブルが起きるとか、飛行中にエンジン停止したら垂直降下させてエンジンに吸気させて再始動するとか(さすがにそれはやりすぎか…)。
せめて機体全体がさびさびで、コックピット視点になると窓とかがダクトテープで補修してあったりみたいな、そういうどん底感(どん底なりに知恵と工夫で対処してる)が欲しかったです。そういうの好みです(知らねーよ)。
確かに雷雨の中で出撃とかはめちゃくちゃな作戦だったりしますが、正規軍もそのなかにいたりして、懲罰部隊っぽさがあまり感じられなかったのは残念です。
「SKIES UNKNOWN」の意味
機械翻訳すると「未知の天空」と出てきます。
超高高度の戦闘とか『戦闘妖精雪風<改>』的な異世界が舞台になったりするのかな!と思いましたが、そんなもんは出てきませんでした( ゚д゚)、ペッ(現実よりの世界だし、当たり前だ)。
本作の終盤で、レーダー上に「UNKNOWN」がいっぱい出てきます。
原因は敵国と自国の両方が同時に「アイツを出し抜こう」と画策して人工衛星を撃ち落とした為です。そのせいで通信網が壊滅し、敵も味方も識別ができなくなってしまいました。
ミッションを開始するとレーダーは「UNKNOWN」だらけ。識別するには近づいてよく見るしかありません。
でも敵は容赦なく撃ってきたりしますし、こちらも「UNKNOWN」に近づきトリガー(◎ボタン)に指をかけて敵と識別された瞬間に即撃ち落とすことで対応します。
しかし、こいつ敵だろっと思って近づいたら実は味方だったりして、今の今まで殺意(ゲーム的な意味でね)を向けていた相手が味方だったということに困惑します。
「危うく味方をぶっ殺すところだった…」な体験をこんなにも味わえるゲームは初めてかもしれないです。
「SKIES UNKNOWN」はきっと「正体不明機」のことなんだと思います。
確か敵のエースパイロットのミハイのセリフで「だが国とは何だ 世界に国境線なんかあるのかね?」というセリフがあります。
つまり、国籍も所属も何もかもがUNKNOWNになったとき、敵も味方も大半の兵士は平和を願う気持ち(「こんな戦争は早く終わらせて家に帰りたい」という気持ち)は同じ、本当の敵は戦争を始めて戦争を続けようとするやつ等なのです。
つまり僕ら平社員はみんな「はやくお家かえって、エースコンバットやりたい」という気持ちは同じ、本当の仕事は上司を倒して家に帰ってみんなでエスコンすることなのです(違う)。
とりあえず、本作のこの反戦メッセージ(多分)は押しつけがましくなくて結構好きです。
あと、物資補給という名の侵略ミッションは笑いました。
「戦闘機を着陸させて物資を明け渡しなさい」という平和的っぽい勧告をしながら、敵の地上兵器や戦闘機をバカスカ破壊していくのは(しかも避難が完了していない市街地)完全に盗賊、いや空賊ですね。
「建物内にいる市民は頭を低くしてなるべく中央に集まってください!」とかいうラジオの無線が聞こえてくると、生き残るためとはいえなんだか悲しくなってきます。
今でもアフリカや中東など内戦が勃発している国ではこんなことは日常茶飯事なんだろうな、とか。時代も国も関係なくあらゆる戦争ではこういった補給という名の略奪は起こっているんだな、と思いました、とさ。
もうあとは苦言というか蛇足というかですが、、
スクラップクイーンにゆきのさつき(銀魂のお妙さんの声の人)さんはちょっと合わなかったかなっていう。(個人的にですけどね!声優としては大好きです!)
スクラップクイーンは勝気だけど男勝りで脱走を企てるくらいタフだし、朴璐美さんとかその辺だったらよかったなぁ。
ムービーシーンでずっとその違和感を感じながら見ているのはキツカッタ…(わがまま)。
しかし、博士役の木下浩之さんは最高でした。
(「空こそが彼の王国だった…」のところはもう鳥肌がたって、感動のあまり叫びそうになりました)
安定感が違いますよ。渋声がお好き?結構、ではますます気に入ります。
それに敵国のエースパイロットのミハイの「語り」が最後に入る演出、もう最高ですね。
あくまで物語を動かす側のキャラクターは、「語り」には入らない。ミハイが堕とされて世界を見る側に回ってから「語り」に入る。この戦場との距離感のちょうどエエ感じがエスコンですよね。
あと、ミッション19の王女様の下り。まぁクライマックスとしては必要だったのかもしれませんが、僕はあまり乗れなかったです。(タブロイドもミハイの孫娘を守ってやられたのかもしれませんが、登場頻度も多くないしちょっとカウントとキャラかぶってるところもあって「なんか勝手に悲劇やってんなぁ」とか思ったり思わなかったり、戦ってるこっちが物語に取り残された感がちょっとあったり)
もうこれは完全に個人的な当てつけというか感想というか思い込みですが
ゲームとか映画に出てくる「頑張る方向を間違えてる弱者の描写」がすげー嫌いです。
(弱者というのは、限定された状況の中で強者よりも弱い立場の人のことで存在価値の否定とかではないです)
例えばアニメ映画『紅の豚』で主人公の機体を修理する工場の奥様方(宮崎駿の表現の仕方に非難はあったものの)は戦場では弱者ですが、工場で働くとしたら主人公よりも強者です(しかもしたたか)。
本作の王女様は発信力、世間に対する影響力は主人公の「トリガー」なんかよりもずっと強者です。
なので、きっと最後はこの王女様が演説してみんなの士気をあげてくれるんだろうなと思ったら、その役はスクラップクイーンがやり王女様は自ら危険な行動に出て尊い犠牲になったのだ…と思ったら生きていて、みたいな。そりゃ確かにプライス大尉(CoD:MW)が敵陣に突っ込んで発煙筒を投げるのと、大事に育てられた王族の女の子が発煙筒を投げるのでは危険度もなにもかも違いますけどね。
それは強さではないくね?というかこっちのフィールド(戦場)で英雄ぶらないでくれよ!英雄は俺なんだからあああぁぁぁぁ!
とかとか、いろいろ文句と懲罰部隊の描写をあわせて-20点で、評価は80点でしたとさ(独断と偏見)。