緊急事態宣言下の東京でリモートワークを導入する気がない現場で働き続けるSESの無感情な叫び

4/6、午後19時、戦後最大の危機に直面した日本政府は、緊急事態宣言を発令。

不要な外出は自粛するよう要請が出た。対象は東京、千葉、神奈川、大阪などの人口密集地。

現場のSCS〇は翌7日に在宅勤務可能かのヒアリングを行った。

そして9日、再度、PC支給に関するヒアリングを行う。

一回目のヒアリングの資料の二行目に「PCを調達する場合は、現在奔走しておりますが2~3wかかります」と記載されていた。

ヒアリングのほかには在宅勤務に関する連絡は無く、皆はいつもより1/10の乗車人数になった電車に乗りいつものように出勤している。

東京の街は、自分の通勤観測範囲でもかなり変わった。

まず、車の数が減った。体感で1/3くらいになった。お店も、コンビニや一部の個人商店を覗いてほとんどがしまっている。

電車に乗っている人数も減ったが、乗っている人の9割はスーツ姿のひとだ。お前ら全員SESか?

世界GDPは-25%という数字も出ており、みんな今の職場がなくなったら次の働き場所があるか心配で何も言い出せないでいる。

SESとは名ばかりの人材派遣の立場はとても弱い。

経済が今後どれだけ悪くなるか誰にも予測できない。

今現在、仕事があるだけで幸せだと思って、人の減ったオフィス街を歩いてリモートワークの開始ををずるずる引き延ばしてなんとか今のまま仕事を続けようとする元受けのもとで仕事を続けている。

元請けは、リモートワークでインシデントが発生するリスクと、使い捨ての人材をかき集めた現場で新型のウイルスが蔓延するリスクで天秤にかけ、前者のリスクをとった。

俺たちは傭兵。信念も何もない。金とタスクさえもらえれば何でもやる。そのかわり大規模プロジェクトに素人同然の会社員が参画できるのだ。

これはその代償。

現在オフィスには100人は人がいる。

東京都知事の『3密、密集、密接、密閉、を避けてください』は、すべて守られていない。

窓もドアも閉め切っている。

ここで一人でも罹患した人間が出れば、集団感染になるのは避けられない。

先週まで、25歳の社員が熱で一週間休んでいた。症状は37.5℃の熱と胸の痛みと腹痛が一週間続いた。保健所によれば、その症状や熱の出方は新型ウイルスではないということだった。

今週から出社してきている。

もう遅かったかもしれない。みんな感染したかもしれない。潜伏期間は最大2週間、結果がわかるのは再来週だ。俺も彼女も感染しているかもしれない。

20代の重症化リスクは低い。でも、重症化しないわけではない。発症した場合、0.2%の確率で死ぬ。現在、日本では20代で重症化した例はない。

もし仮にこの現場の人間が重症化したとしたら、最悪の場合助からないだろう。

昨日の感染者数は499人。PCR検査の制度が60%くらいなので、800人近い感染者がいると想定できる。先日の感染者は400人弱。まさに指数関数的に増えている。来週には1万人を超えているだろう。さらに感染者が増えている再来週に発症して重症化したら、人工呼吸器をつけてもらうことを祈るしかない。自分より若い重症患者がその病院にいないことを祈り、人工呼吸器に他の細菌が入り込んで二次感染を起こさないことを祈りながら。

来週ごろに上が慌てふためきだし、再来週ごろに急遽休業するよう指示が出るのが予想できる。

正直とても不安だ。発症したら、500人に一人は死者が出るジェットコースターに乗ることになる。

自動車も走らなくなった東京で、一番死亡確率が高いのではないだろうか。